パッド先生の仕事
ハードコア派の皆さん、こんばんは。
https://murinaikurashi.com/introducing-pad-sensei/
少し前にパッド先生始めますという記事を書きました。
で、パッド先生ってなんやという事を話していなかったなと。
私がやろうとしていることをブログやHPS、XやYouTube,Discordなどで部分的には話してはいるんですけど、全体像って見えやすい形で書いてきたことなかったなと。
64Pad Explorerを作ってるのはまだ分かると思うんですよね。パッドだし。
https://murinaikurashi.com/apps/64-pad/
でも、物理モデリングの音源を作ったり、ギター用の機能や、鍵盤のいわゆるストックボイシングを表示できるようにと強化したりするのは意味不明だよなあと。
で、ブラウザでやっている。こんなのブラウザでやるよりアプリにしたほうが遥かに簡単なわけですし、実際、経済的合理性があるかと言ったらない。
実際、笑っちゃいますけど、先月の64Pad Explorerのアドセンスの収益は9円です。サーバー代や生成AI代にもならない。
じゃあ、なんでやるんだ。楽しいからと言ってしまえばその一言で済むのかもしれませんけどね。
自分でも整理の意味で、少し書いてみようと思います。私が仕事と考えているのはこういうことになるでしょうか。
音楽を生活の一部にすること。
そのツールとしてのパッドを使いやすく、学びやすくすること。
日本をパッド大国にする。
経験は圧縮されない事を伝える
鍵盤が弾けなくても、ハーモニーやスケールを理解でき、学び続けることが出来るようにする。
キッズやLDCで音楽をやりたい人が音楽を出来るようにする。
時間が無くても、体が悪くても、お金が無くても、音楽を出来るようにする。
パッド先生としてちゃんと生活できてモテまくること
言葉にすると、デカい上に意味不明ですよねえ…最後は蛇足か…
で、まあ、パッドを軸として考えていくわけですけど、パッドについてもうちょっと考える必要があるよなと。
パッドは可能性があるが、このままで楽器と言えるのか?
え、あんた、あれだけ楽器と言ってきたでしょ。騙したな…となったあなた。慌てん坊が過ぎますよ…
楽器の定義というと、こういうところでしょうかね。
音を出すために作られた道具。確かにそういう意味では楽器ではある。
大昔はシンセサイザーは楽器ではないという意見もあったわけですけど、「音を出せる」という意味では完全に楽器じゃないですか。
翻って、パッドはどうかと。LaunchpadやLinnstrumentはMIDIコントローラー。音源がないと音が出ません。
んじゃ、Moveは音源もあるし、スピーカーもある。そういう意味では楽器といえる。
でも、32パッドで自由に作れるか。そうなると難しい。
PUSH3、スタンドアローンあるわけですけど、私は楽器とは定義できないと思ってます。
まず、本当の意味でスタンドアローンではない。スピーカーもないわけですしね。で、Abletonがないと使えないものって、楽器かと言われると違うよなと。
パッドが楽器として成立するとしたらなんだろう?
パッドは生楽器で人間の体を使って、発音する物理的な機構はない。
管楽器やギターなどと根本的に出自が違う。
16パッドなら主に叩くもの、64パッドなら押すもの。LinnstrumentだけがMPE、人間の体の動きから考えて作られている。
MPEを使った人間ならではの表現ができる可能性があるとしたら、Linnstrumentしかない。弦楽器などで使えるテクニックがLinnstrumentは出来るわけですからね。
PUSH3にもMPEがあるわけですけど、パッドの大きさ、パッドの数から初めから出来ないことがある。
パッドは抽象的な楽器である
ここが答えになるのかなと。
音源がなければ成立しない。そして物理的な機構がないがゆえに、可能性を得た。
ただ、本質的に大きな違いは、ハーモニーにあるのかなと。
ギターと鍵盤のハーモニー上の大きな違いは、同一音程なら視覚的な変化がないということです。
鍵盤だと、半音ズレたら、黒鍵と白鍵が変わってしまう。慣れたら別に意識することもなくなるんですけど、習得コストは高い。
ギターやベースは、同一音程なら視覚的な変化がない。ミュートなどの難しさというのはあるし、弾く手の難しさというのはずっとついてまわるので、習得コストは、ハーモニーという点では鍵盤より習得コストは低い。譜読みが難しいという点でコストは高い。
そして、ギター・ベースとパッドの最大の違いは、同一弦上で同時に発音が出来るということです。
構造上、物理的に一つの弦で音を鳴らしているのに、更にその弦から音を出すことは出来ない。
物理的に発音機構を持っていないので、こういう事が出来るわけですね。ギターやベースではクローズ・ボイシングを弾くことは難しい。
楽器として、実態がない。そのことが。ハーモニーの可能性を得た。鍵盤的に使ってもいいし、打楽器的に使ってもいい。何者にもなれない代わりに、何者の基盤となりうる。
非鍵盤奏者がもっとも習得コストが低くハーモニーをマスター出来る楽器。そう言えると思います。HPSの2回でも書いていますけれど。
パッドは旧来との楽器の定義では定義できない。パッドはOSとして他の楽器との共通点をもつことができる事がパッドの最大の特徴。
こうなりますかね。パッドには物理的な音を出す機構はない、他に音源が必要である。
こういう点からは楽器とは言えない。
けれど音を出すために作られた道具という一点においては、楽器であることは疑いようがない。
また、音を出すための物理的な機構を持たないと言うことは、音楽そのものの共通点で他の楽器とつながることも出来るということでもある。
ギターと鍵盤を両方弾く人や、楽器を持ち替える人だと分かると思うんですけど、メイン楽器から持ち変える時に、インターバルを意識しますよね。
パッドはどこまで言っても本物にはならない。
けれど抽象的なレイヤーとしては本物になれないがゆえに、最もインターバルなど音楽そのものを成り立たせる要素と近づくことができる。
弱みは最大の強みと言える。楽器の翻訳者と言い換えてもいいかもしれませんね。
パッドはね。凄いところまで行けるんですよ。
いずれやりますけど、アウトサイドのメソッドが完璧に5度圏と対応している。ジャズだと理解しても弾くのが難しいことも、パッドなら秒です。だって見たまんまだから。
音楽理論がパッドという形をとって物理的に存在しているといえばわかりやすいですかね。いや、もうだいぶ抽象的ですね…
HPS1年サブスクでやってきて大量の記事を書いたんですけど、そこまで到達できてない。
弾かれない楽器は存在できるのか?
と、パッドは物凄く可能性があるわけですけど、その一方で存続基盤が脆弱です。
出来ないことが多い。思いつくまま上げます。
音源がないと音が鳴らせない
ピッチベンド、モジュレーションホイールがない
サステインペダルが現状PUSHしか使えない
エクスプレッションペダルが直接使えない(PUSH2は使える)
64パッドで学ぶ環境がない
低コストで、ハード単体で伴奏できるものがない。
DAWがないと使いにくい
だから、64Pad Explorerを作った。パッドは習得コストが低い。楽器としては、ですけど。
楽器としての可能性は、他の楽器より習得コストを下げるはずなのに、そうはなっていない。
外部環境があまりにも整ってないと言える。これでは一部の人しかパッドを演奏できるようにはならない。
だって、現状最高性能のパッドを使いたいなら、PUSH3を買わなければならないけれど、Abletonが潰れたらどうです?
多くの社会人の皆さんの可処分時間は少ない。30分も練習できない方は多いと思います。
家に帰ってきて、Abletonを立ち上げて、弾けるようになるまで何分かかります?
で、プラグインのバージョンアップがあったり、DAWそのもののバージョンがアップがあったら?トラブルがあったら週末丸一日潰れるなんてことは普通にある。
だから、ブラウザでやるしかない。HPSなどのコンテンツもブラウザ埋め込みでさっと音が出せたり、コード進行が再生したら手形が見られるような仕組みがあれば、学びやすくなる。
そして、周辺機器もないなら作るしかない。パッドという楽器の特性を理解して、必要な物を作れるのはプレイヤーだけですから。
PUSH3のタッチストリップは、演奏の際に誤操作が起きる位置にある。演奏できる人ならここには配置しませんから。だから、演奏できる人間が作る必要がある。
環境がないなら作る
私の仕事としては、パッドの環境を作ることが仕事ということですね。
1年前は、コンテンツを作る、記事を作ることが仕事と思っていた。で、たくさん記事を書きました。
学びやすいように、Abletonの練習できるためのプロジェクトファイルも、他のDAWでも使えるMIDIファイルも、オーディオデータもつけた。
でも、DAWを使う前提ってそもそも、音楽を生活の一部にするという観点からはズレていたと言わざるを得ない。
届ける手段としては、現状ブラウザがベスト。記事の内容を紙書籍で作って、配布なんてことになったら、今の10倍ではきかないコストになってしまう。
ブラウザでDAW的なものがあれば、立ち上げたらすぐに練習が出来る。
ですから、今作っています。
64Pad Explorerに基本的なハーモニーを学ぶことが出来る機能をつける。私が書かなかったら、知識にアクセスできる人が少なくなると言うのはおかしい。
64Pad ExplorerをMITライセンスにしてるのもそうですね。ロジャーさんみたいに、かっこいい爺さんになりたいというのもそう。
あと、単純に凄いプレイヤーがでてくるのを見たいんです。
ブラウザ、Chromebookとパッドがあれば、21世紀のブルースを聞かせてくれるかもしれない。
そしてね、パッドが面白い、シリアスな楽器だといい続けるためにもね。ちゃんと生活出来ないといけない。お金、嫌いじゃないんですけど、面白いことはお金にならないことばっかりなんですよね…
このような悪戦苦闘やコンテンツを作る時に考えていることや、HPSのコンテンツとしては収録できないけど、練習や演奏とかね。
そういったものを、パッド先生の生活ということでこれからお届けできたらなと思っています。収支報告なんかもやりますよ。
政策金融公庫の書類に、HPSを新事業と書いた剛の者ですからね…
これからもパッド先生をよろしくお願いいたします…





